
親のことはよく知っているつもりでも、自分が生まれる前の暮らしとなると、意外に知らないものです。子どものころ、どんな家に住んでいたのか。二十歳のころ、何を夢見ていたのか。どんな出来事や人が、今の親をつくったのか。ちょうどいい質問をすれば、多くの親は喜んで話してくれます。小さな答えがいくつも集まって、少しずつ、親の人生の物語になっていきます。
まず聞いてみたい、気軽な質問5つ
最初は、場面がひとつ目に浮かぶ質問が向いています。大きな答えを求めないので、インタビューのような固い雰囲気にならずに、会話が自然に始まります。
- 子どものころ住んでいた家の前の通りは、どんな様子だった?
- 小さいころの好物は何で、誰が作ってくれた?
- 聞くと、すぐに若いころに戻れる歌は何?
- 初めて自分で稼いだお金で、何を買った?
- これまでの写真の中に、いつか私に話しておきたい一枚はある?
親のことを、どのくらい知っていますか? 無料の家族クイズでは、お母さん、お父さん、おばあちゃん、おじいちゃんについて、12問、約1分で答えられます。最後に、次の会話で使える50個の質問がもらえます。印刷しても、切り取ってカードにしても使えます。クイズで答えられなかったことが、いちばんよい最初の質問になることがよくあります。
親の人生について聞く質問:時期ごとに
昔の話は、子どものころから今まで、順番にたどると話しやすくなります。1回の会話では、ひとつの時期だけを取り上げます。その中から、お母さんやお父さんに合いそうな質問を3つ選んでください。各時期の最後に、話をさらに深めるひとことを添えました。
子どものころ
子どものころの質問は、自分では見たことのない場所や人、暮らしのならわしを呼び戻してくれます。
- 育った家は、どんな様子だった?
- ふつうの日曜日は、家でどんなふうに過ごしてた?
- 誰と遊ぶのがいちばん好きで、何をして遊んだ?
- 子どものころはだめだと言われたのに、今はあたりまえになっていることは、何かある?
- 子どものころ、何が怖くて、誰が慰めてくれた?
- 誰にも話したことのないいたずらは、ある?
続けて聞くなら:「そこは、どんなにおいがした?」においは、ひとつの場面をまるごと思い出させてくれることがよくあります。
学校と10代のころ
学校の時期と10代は、親が初めて、どんな人になりたいのかを自分で決めた時期です。
- 今でも覚えている先生は誰? その先生の何が心に残ってる?
- 親友は誰で、放課後はいつも何をしてた?
- 16歳のころ、休みの日は何をして過ごしてた?
- 10代のころ、どんなことで叱られた?
- そのころ、自分らしいと思えた音楽や服、場所は何だった?
- 若いころは、何になりたかった?
続けて聞くなら:「もし16歳の自分にひとこと伝えられるとしたら、何て言う?」
仕事
仕事の質問からは、親がどうやって暮らしを支えてきたのか、何を誇りに思っているのかが見えてきます。
- 最初の仕事には、どうやって就いたの?
- 初めて出勤した日は、どんな日だった?
- 職場でいちばんいろいろ教えてくれた人は誰?
- 仕事の中で、いちばん誇りに思っていることは何?
- 全部投げ出したいと思った日は、あった?
- 今なら、仕事のことで何か違うやり方をする?
続けて聞くなら:「そのころのお給料はどのくらいで、それで何が買えた?」
出会いと結婚
二人の出会いの話は、多くの子どもが、何度でも聞きたい話です。
- 二人はどうやって知り合ったの? きっかけをつくったのは、どちら?
- 初めて会ったとき、相手のことをどう思った?
- 初めてのデートは、どんな感じだった?
- 結婚は、どんなふうに決めたの? しなかったのなら、それはどうして?
- 最初のころ、思っていたより大変だったことは何?
- これまでの経験で、二人が長く仲よくいるために大切なことは、何だと思う?
続けて聞くなら:「そのとき、何を着てた?」小さなことが、話を生き生きとさせます。
私たちが小さかったころ:自分についての質問
ここでは、自分では覚えていない自分のことを知ることができます。
- 私が生まれた日は、どんな日だった?
- 私の名前は、どうやって決めたの?
- 私は、どんな子どもだった?
- 私が何をすると、笑ってた?
- 私たちが小さかったころ、いちばん大変だったことは何?
- 子育てで、今なら違うやり方をしたいと思うことは、ある?
続けて聞くなら:「その日の写真は、ある?」
ルーツと家族の歴史
ルーツの質問は、世代が替わると伝わりにくくなる名前や土地、その裏にある物語を残してくれます。
- 自分のおじいちゃんとおばあちゃんについて、知っていることは何?
- うちの家族はもともとどこの出身で、どうしてそこを離れた(または残った)の?
- お正月やお盆など、家ではどんなならわしがあった?
- 家に昔から伝わっているレシピや味は、何?
- うちの家族で、何度も語られる話は何?
- 家に伝わるものの中で、いちばん大切な品物は何?
続けて聞くなら:「その話に、ほかにも詳しい人はいるかな?」

人生の転機と、つらかった時期
どんな人生にも、すべてを変えた年があります。やさしく聞いて、どこまで話すかは、親に決めてもらいましょう。
- 人生をいちばん変えた決断は何?
- いちばんつらかった時期はいつで、何が支えになった?
- 一生忘れられない引っ越しや別れは、ある?
- 世の中の出来事で、自分の人生に響いたものは何?
- 初めて本当に大人になったと感じたのは、いつ?
- 今ふり返って、誇りに思うことは何?
続けて聞くなら:「そのとき、そばにいてくれたのは誰?」
大切にしていることと、残したいもの
この質問の答えは、親が何を伝えたいのかを教えてくれるので、あとになって、いちばん心に残ることが多いものです。
- 人生で、本当に大切だと思うようになったことは何?
- 自分の親の助言で、実際に守ったことはある?
- 自分の親の口ぐせで、今も使っている言葉はある?
- 孫に、自分のことで知っておいてほしいことは何?
- いちばん感謝していることは何?
- 家族の中に、自分の何が残っていてほしい?
続けて聞くなら:「それについて、ひとつ話を聞かせてもらえる?」大切にしていることは、ある出来事を通して、初めて手で触れられるものになります。
親に聞く、楽しい質問
楽しい質問は、会話をほぐして、誰も思ってもみなかった面白い話を引き出してくれます。みんなが耳を傾けられる、家族の食事の席にもぴったりです。
- 今までにやった、いちばんとんでもないことは何?
- 昔の服で、今でも着たいものはある?
- 料理で、いちばんの大失敗は何?
- お小遣いを、何に全部使ってしまった?
- 子どものころ、いちばんよく使った言い訳は何?
- 人生のうち一日だけ、もう一度過ごせるなら、どの日にする?
- あまりに恥ずかしくて、今は笑い話になっていることは、ある?
どの場面に、どの質問が合う?
すべての質問が、どの場面にも合うわけではありません。選ぶときは、この表を目安にしてください。
| 場面 | 向いているもの | 質問の例 |
|---|---|---|
| 短い電話 | 子どものころの軽い質問 | ふつうの日曜日は、家でどんなふうに過ごしてた? |
| 古い写真を見ながらの訪問 | ルーツと家族の歴史 | この写真は誰で、どんな日だった? |
| 家族の食事 | 楽しい質問 | 昔の服で、今でも着たいものはある? |
| 還暦や古希のお祝い | 人生の転機と、大切にしていること | 今ふり返って、誇りに思うことは何? |
| 二人で過ごす静かな夜 | 出会いと、私についての質問 | 私が生まれた日は、どんな日だった? |
親への質問のしかた
いい質問には、答えを待つ時間が必要です。次の4つは、ほとんどの会話で役に立ちます。
- 少ない質問で: 1回に3つで十分です。半分しか聞けない話が10個あるより、ひとつの話を最後まで聞くほうがずっといいものです。
- 聞き役に: 間があいても、そのままにします。いちばんよい話は、黙ったあとに出てくることがよくあります。
- 続きを聞く: 「それで?」「ほかに誰がいた?」「どんな気持ちだった?」
- 手に取れるものを: 写真や手紙、昔の道具がテーブルにあると、質問だけでは届かない思い出が戻ってきます。
30分ほどの、もう少し長い会話の進め方は、親の声を残すインタビューの進め方に書きました。人生の物語全体を残すには質問が何個くらい必要かは、親に聞きたい人生の質問: 10問、20から33問、50問以上の選び方にまとめています。
高齢の親への質問
高齢の親には、長い会話よりも、短くて具体的な質問と、目で見られるもののほうが助けになります。記憶があいまいになってきたら、ずっと昔のことを聞きます。子どものころ、学校、最初に住んだ家などです。間違いを直さずに、出てきた話をそのまま受け取ってください。こうした会話をうまく進める方法は、高齢者の回想法: 40分から60分で思い出を聞くコツで紹介しています。
お母さん、お父さん、祖父母への質問
ここにある質問は、お母さんにもお父さんにも使えます。お父さんだけの質問集はお父さんに聞きたい質問、祖父母向けは祖父母への質問にあります。
親の答えを、声のまま残す
親の答えは、かけがえのないものです。数週間もたつと、誰が何を話したのか、はっきり覚えている人はほとんどいません。ですから、その場で残してください。いちばんよいのは、音声の録音です。言葉だけでなく、声や笑い声、お母さんやお父さんの話しぶりも残ります。
FamilyStoriesには、こうした質問が最初から用意されています。この記事と同じように人生の時期ごとに並んでいて、質問ごとに小さなヒントも付いています。自分の質問は、いつでも足せます。親は自分の声で答え、話した言葉は自動で文字になります。アプリで答えても、アプリなしで、招待リンクからブラウザで答えてもかまいません。週に一度のリマインダーが、物語が続くように助けてくれます。最後には、PDF、Wordファイル、またはコードを読み取ると声が流れる紙の本になります。
会話を一歩ずつ録音して、残していく手順は、親の自分史の作り方に書きました。
よくある質問
「どんな人生だった?」と大きく聞くより、ひとつの場面を思い出してもらう質問のほうが、話が広がります。時期は、子どものころ、学校と10代、仕事、出会い、自分が小さかったころ、家族のルーツ、人生の転機、大切にしていることなどです。気軽な質問から始めて、重い質問はあとに取っておきましょう。
小さくて具体的な質問をひとつ、または古い写真から始めます。たとえば、「子どものころ住んでいた家の前の通りは、どんな様子だった?」です。そのとき、なぜ聞くのかも伝えてください。親の話に興味があって、家族のために残しておきたいから、と。
1回に3つで、たいてい足ります。20分から30分の会話なら、二人とも楽に話せて、次の機会も楽しみにできます。
ずっと昔のことについての、短くて具体的な質問が合います。たとえば子どものころや、最初に住んだ家のことです。質問よりも、写真や昔の歌、身近な品物のほうが、思い出を助けてくれることがよくあります。
多くの場合、大切にしていることや、残したいものについての質問です。どんな助言に助けられたか、何に感謝しているか、孫に何を知ってほしいか、などです。あわてずにゆっくり聞いて、答えは親自身の声で録音してください。
このページの質問は、お母さんにもお父さんにも使えます。お父さんには、別にお父さんに聞きたい質問もまとめています。
はい。無料の家族クイズの最後に、印刷したり、切り取ってカードにしたりできる50個の質問がもらえます。登録は要りません。
いちばん簡単なのは、スマホで録音する方法で、質問ひとつに答えひとつです。FamilyStoriesでは、答えを質問のすぐ下で録音でき、話した内容は自動で文字になります。
家族の物語を、その人自身の声で残しましょう
FamilyStoriesは、家族で人生の物語を集めるiPhone・iPad向けアプリです。一人ひとりに合った質問、本物の声、写真をプライベートに残し、最後は印刷した本にできます。
- 人生の章ごとに合わせた質問
- 話した言葉を自動で文字に
- 本人の声をそのままの形で保存
- 写真は思い出の物語のそばに
- 最大10人のファミリーサークル
- アプリなしでもリンクで回答
- 毎週のリマインダーで続けやすく
- 語りに寄り添う音楽と自然の音
- 家族みんなでつくる家系図
- PDFやWordファイルで保存
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